15年後、凄まじい少子化時代を生き残れるか…

経営

15年後、今の70%になります…

2022年の出生数・・・およそ77万人。

学習塾関係者であれば、興味を持って(というより恐怖を感じて)聞いたニュースだと思います。

普通に考えればムチャクチャやばいですよね…

ちなみに現高校1年生(2023年時点)の2007年生まれは108万9818人だったそうです。

簡単に言えば、2022年生まれの子たちは現高校1年生の70.7%しかいませんよ、ということです。

つまりですね、15年後の高校1年生は今の高校1年生の70%くらいしかいないってことです。

これって市場的にはだいぶヤバいと思うんですよね…

ここでそのヤバさを考えるために過去に遡ってみましょう。

1980年の出生数を見てみます。現在、42歳、43歳の方が生まれた年です。

その年の出生数が157万6889人でした。

157万6889人の70%ってどのくらいになるでしょうか?

1,576,889×0.7=1,103,822人

これってさっき見た2007年出生数(108万9818人)に近いですよね?

1980年世代っていうと私もだいたい近いんですよね。だから考えてみるんです。「私が中学生の頃ってどういう塾が流行ってたんだっけ…」と。

で、その人口が70%になった市場というのが、まさに今だと思うんですね。今、地域で流行ってる塾を見てみる訳です。

そうすると、私が小中学生の頃に流行っていた塾って個人塾、大手塾ともに今は潰れてたり、勢いが完全になくなっちゃってたりするわけです。

市場が70%に縮小するっていう現象は、今現在流行っている塾ですら容易に消えていく可能性があるくらい凄まじい現象なんじゃないかと…

さらに怖いのが、1980年⇒2007年の70%は27年かかってます。

でも2007年⇒2022年の70%は15年しかないんですね。

市場の縮小が一気に来るんで、のほほんと今まで通りに塾経営してたら一気にやられるんじゃないか…とか、本当に心配になったりするわけで…。

生徒数が70%になるのか、または塾数が70%になるのか…

「われわれの顧客となり得る子どものが数が70%になるということは、今の塾生が70%になってしまう…」そんな心配をされる方もいるのかもしれませんが、そうではないような気がします。

それは1980年生まれ⇒2007年生まれの70%現象を見れば明らかで。

どの塾も生徒数が7割になって経営が苦しいながらも生きている、という状況ではない訳ですよね。

少数ながらも強い塾は相変わらず残っている(場合によっては成長している)。その他の塾は生徒数7割どころか、消え去ってるか虫の息。あとは我々1980年前後生まれが小中学生の時にはなかった新規塾が勢力を伸ばしている訳です(というか、そういう塾ばかりな気もしますが。私の塾もそのうちの一つですし)。

だからですね、「15年後は塾生が7割になっちゃうのか…」なんて心配は実は楽観過ぎるほど、楽観な気がするんですね。

むしろ、「15年後は3割の塾が潰れて、7割しか残らないのか…」の方がまだ正しい。いや、正しくもないですね。過去の流れを見れば。おそらく次の15年でも強力な新規参入がどんどんあるのが普通な訳ですから、7割も生き残れない…と考える方が自然な気がします。

正直、私も不安で仕方がないです…

15年後まで何をどう備えるか?

私は予言者でもないですので、「これをやれば生き残れる!」なんてことは分かりません。もし分かってたら誰にも教えず自分の塾だけ生き残れるようにするか、「15年後に生き残れる方法教えます!」商材売りつけて儲けますから。

分からないながらも、思いつくことをダラダラ上げてみます。

  • 少ない生徒数でも経営を続けられるように値上げしていく。
  • 指導の範囲を広げる。(幼児教育、中学受験、大学受験、社会人教育など)
  • サービスの範囲を広げる。(オンライン指導、家庭教師、教材制作販売、午前中の教室利用など)
  • 送迎を開始するなどして商圏を広げる。
  • 塾以外の別事業を始める。
  • 少子化であっても十分な数の消費者から支持されるように今のサービスをより強化していく。

他にもいろいろ考えられるとは思いますが、頭の悪い私だとポッと出るのはこのくらいです…( ;∀;)

正直、今の私の感覚だと「悪手だなぁ~」と思われる項目もチラホラ。私はランチェスター戦略が好きなので、商圏を広げるとか、サービスの範囲を広げるとか、今の時点ではぜんぜん考えたくないんですね。ただ、あまりにも人口が減って消費者が減ると、ランチェスター戦略自体成り立たなくなるって話もあるみたいで。あくまでランチェスター戦略も人口が安定して消費者が十分に市場にいるって世界を想定しての理論らしいので…

私としては、最後の「少子化であっても十分な数の消費者から支持されるように今のサービスをより強化していく」という当たり障りない文言で15年後も生き残っていけたらいいなぁ~とか思うんですが、こんなことを言ってる時点でアウトなのかも…

いずれにせよ、時代の変化に対応できないとマズそうですね。入試も変わるでしょうし、消費者のニーズも変わるでしょうし、経済状態も変わるでしょうし。いろいろ大きく変わっていく中で、「自分だけはこのままでいたい!」では、まず消費者からは見放されていくんだろうな、と。

今回の記事は、あくまで「私個人はこう思います」という記事ですから。「少子化でヤバいよ!何かしないと淘汰されちゃうよ!だからコレ買って!コレやってみて!」とか、不安を煽って何かを売りつけようとか、そういう意図は全くありません。(でも、これから先、そういう商売もどんどん出て来そうですね。『少子化の世界で学習塾経営を成功させるうんたらかんたら』みたいな商材。個人的にはぜんぜん要らないですけどね 笑)

私みたいなヤツに未来を予測できるわけもないので、案外今までの通りにやって行っても普通に70%の世界を生き残れる可能性もあるかもしれませんし。結局、「未来は誰にも分らん!」という話なので。(むしろ、私が聞きたいくらいなんですよね…)

「すでに過疎化が進んでいる地域で20年くらい安定して塾経営をされている人」がどこかにいないかな~と思ってます。そういう方が15年後の70%塾業界で生き残るためのヒントを何かしら持っていらっしゃるような気がしています。そういう方を探してみようかな。。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP